金沢大学古代文明・文化資源学研究所イベント2024-3
『いにしえの世界を探る - 金沢大学 古代文明・文化資源学フォーラム 2024』

金沢大学は古代文明・文化資源学研究所を組織し、私たち人類の過去をめぐる多彩な調査研究プロジェクトを活発に展開しています。そのねらいの時空間的な広がりは、文明誕生よりも古く遡る先史時代から近代・現代にいたるまで、そして日本列島のみならず新旧の大陸をまたぐ世界の各地にまで及びます。こうした活動の最新情報を中高生・学生・一般のみなさまにご紹介するため、昨年に引き続き今年も公開フォーラムを開催する運びとなりました。考古学・考古科学・文化資源学の糾合を目指して金沢大学が取り組んでいる、先端研究の最前線にふれてみてください。

日  時: 2024年7月27日(土)13時00分〜16時30分(12時40分開場)
会  場: 石川県文教会館 4階 401・402会議室(大会議室)
(石川県金沢市尾山町10-5)
http://www.bunkyo.or.jp/basic/access.html
参加費 : 無料
参加方法: 事前の申込は不要です。直接、会場にお越しください(先着順にて100名様まで入場できます)。
対面形式のみでの開催になります(オンライン配信などの予定はございません)。
※来場者用の駐車場はございませんので、なるべくバスなどの公共交通機関をご利用ください。
主  催: 金沢大学古代文明・文化資源学研究所




いにしえの世界を探る - 金沢大学 古代文明・文化資源学フォーラム 2024

(pdf)



プログラム

13:00-13:05

開会挨拶 河合 望(金沢大学古代文明・文化資源学研究所 所長)

13:05-13:35

報告① 小髙 敬寛(金沢大学国際基幹教育院 准教授)

メソポタミア文明の源流をたどる ―イラク、シャカル・テペ遺跡の発掘調査
 史上初めて、生活の糧を農耕や牧畜に頼る暮らしを始めた「肥沃な三日月地帯」の人びとは、やがてメソポタミア低地へと進出し、最古の文明誕生の舞台を整えました。金沢大学をはじめ筑波大学・東京大学・北海道大学などからなる研究チームは、そのプロセスの追跡を目指して、ティグリス河の支流域で遺跡調査に取り組んでいます。本報告では、昨夏に実施したシャカル・テペ遺跡の第2次発掘調査を中心に、研究成果を紹介します。

13:35-14:05

報告② 河合 望(金沢大学新学術創成研究機構 教授)

古代エジプト3千年の墓地を掘る ―北サッカラ遺跡の発掘調査
 サッカラ遺跡は中心都市メンフィスの主要墓地で、約3千年間にわたって多くの墓は造営されましたが、その形成と展開についてはまだ十分に解明されていません。金沢大学を中心とする日本・エジプト合同調査隊は昨年、初期王朝時代、新王国時代、末期王朝時代、グレコ・ローマン時代の墓を数十基発見し、サッカラ・ネクロポリスの形成と展開に関する重要な成果を得ることができました。本報告では、この成果についてお話しします。

14:05-14:15

休憩

14:15-14:45

報告③ 市川 彰(金沢大学古代文明・文化資源学研究所 准教授)

環境変化は文明の衰退や崩壊を招くのか? ―メキシコ、オアハカ州太平洋岸遺跡の発掘調査
 紀元後800年から1000年頃にかけて大干ばつがメソアメリカ各地で発生し、諸都市や王朝が衰退、社会変化が起きたと言われています。一方で、厳しい環境を乗り越えた人びともいました。本報告では、特に社会の大多数を占める庶民の生活変化に着目しながら、大干ばつ前後で人びとの生活が変化したのか否か、メキシコ、オアハカ州太平洋岸にあるリオ・ビエホ遺跡の庶民の住居跡の発掘調査からみてみたいと思います。

14:45-15:15

報告④ 覺張 隆史(金沢大学古代文明・文化資源学研究所 助教)

現代人に残る古代人の遺伝的「遺産」を探索する ―パレオゲノミクスの新展開
 遺跡から出土する生物遺体のゲノム解析はパレオゲノミクスと呼ばれています。特に、遺跡出土人骨のパレオゲノミクス研究は、人類集団の起源研究に大きく寄与しており、世界各地で膨大なデータが蓄積されつつあります。本報告では、金沢大学が主導してきた世界各地のパレオゲノミクスの成果とともに、現代人に古代人のゲノムの特徴がいかに受け継がれてきているか、日本列島人の事例を中心に近年の成果を紹介します。

15:15-15:25

休憩

15:25-15:55

報告⑤ 足立 拓朗(金沢大学古代文明・文化資源学研究所 教授)

能登半島地震の被災文化財の現状 ―埋蔵文化財を中心として
 発災から半年以上が過ぎようとしていますが、能登半島地震で被災した文化財の復旧にどれほどの時間が必要なのか、現時点では不明と言わざるをえません。そして、復興事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査をどのように実施していくのかなど、問題は山積みしています。そのような状況ではありますが、発災以後の被災文化財の現状について、市町の文化財担当者および石川考古学研究会と協力して実施した活動とともに報告します。

15:55-16:25

報告⑥ 松永 篤知(金沢大学資料館 特任助教)

キャンパスに刻まれた5千年の痕跡 ―金沢大学構内遺跡からみた先史・古代・中世・近世・近代
 金沢大学の歴代キャンパスでは、それぞれ過去の人びとが残した遺跡がみつかっています。具体的には、角間遺跡・角間乾場山遺跡・金沢城跡・宝町遺跡・鶴間遺跡・東兼六遺跡などがあり、いずれも様々な人たちが金沢の地に生きた確かな証です。その時代は、縄文時代から昭和期にまで及びます。本報告では、 現在の考古学的知見に基づいて金沢大学構内遺跡の発掘調査成果を見直しながら、5千年を超える金沢の人びとの痕跡をたどります。

16:25-16:30

閉会挨拶 足立 拓朗(金沢大学古代文明・文化資源学研究所 副所長)



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odaka@staff.kanazawa-u.ac.jp (担当:小髙)
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