① 遊牧化のWhen/Where/What(編年プラットフォームの構築)
遊牧化5千年の歴史を一つのシークエンスとして連続的に捉えるには、個々の事象を時系列に沿って並べると同時に、文化空間に応じて相対配置するための、編年プラットフォームの構築が必須となる。考古班を中心に作業を進める。
② 遊牧化のHow/Why(遊牧化過程の動態研究)
分析班の協力を仰ぎ、遺跡調査で出土した人骨・動物骨・花粉その他資料の分析を進めると共に、その成果を編年プラットフォームに載せて遊牧化の動態を追跡する。着目するのは、アラビア半島の古環境、墓制・葬制から見た遊牧民の集団構成とその地理的・時間的変遷、威信財や羊毛刈り用石器の生産・流通から見た遊牧民の移動パターンと社会共生システム、岩に刻んだ部族標識(ワスム)から見た遊牧部族の形成過程、砂漠の水利問題などである。
③ アラビア半島先原史遊牧部族社会の起源と史的特質(総括)
課題①②の成果を基に、今日もなお中東社会を特徴付けている遊牧部族社会の起源とその史的特質を明らかにする。