文化庁委託事業対面研修の開始
古代文明・文化資源学研究所長中村誠一教授を実施責任者とする令和4年度文化遺産国際協力拠点交流事業「中米におけるマヤ文明文化遺産の三次元計測と取得データの活用に関する人材育成事業」の対面研修が、ホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」で始まりました。
本事業は、金沢大学がリエゾンオフィスを設置しているグアテマラのティカルとホンジュラスのコパンにおいて、世界遺産の修復保存を担当する現地政府研究機関の専門職員および現地大学の考古学専攻分野の学生、卒業生を主対象とし、遺跡の建造物や遺物の三次元計測法や取得データの修復保存への活用法を享受し、現地人材の育成を促進する事業です。金沢大学は、古代文明・文化資源学研究所を通して令和3年度からこの事業を委託されています。
令和3年度はコロナ禍のため、すべての研修事業がオンラインで行われましたが、このたび、委託事業初めてとなる対面研修が現地で実施されることになり、金沢大学リエゾンオフィスがその中に設置されているコパン文化遺産保存人材育成センターでスタートしました。今回の研修には、金沢大学の協定校であるホンジュラス国立自治大学の社会科学部考古学専攻卒業生および最終学年生4名と、協定機関であるホンジュラス国立人類学歴史学研究所から世界遺産コパンのマヤ遺跡担当の考古学者および修復保存専門家2名の計6名が参加しています。講師は、古代文明・文化資源学研究所客員研究員の野口淳氏が務めています。受講生たちは、これまでもオンライン講義を受講してきましたが、実習的な要素がうまく学べずに苦労してきました。今回の研修では、3Dの実技を対面で学ぶことにより、大きな成果が期待されています。