水野哲志(みずのてつし)
          所属:医薬保健研究域医学系(古代文明・文化資源学研究所 兼任)
          職階:助教
          専門:寄生虫の分子疫学調査・寄生虫、ウイルスのワクチン開発
          ※金沢大学:研究者情報
        
研究内容
マラリアや住血吸虫症などを引き起こす寄生虫は古来よりその存在が報告されており、ヒトを含む宿主とともに共進化をとげて今日の形になったと考えられる。私はこれまでに寄生虫を対象とした分子疫学調査をインドネシアやケニアなどの寄生虫蔓延地域で行い、ヒトを含めた脊椎動物の腸管に広く寄生するGiardia intestinalisの地理的分布とその進化学的背景についての知見を得てきた。特にGiardiaなどの腸管に寄生する寄生虫は、宿主の糞便内に大量の虫卵・嚢子を排出することが知られており、考古学的資料から寄生虫遺伝子の検出が報告されている。またこれらの寄生虫の一部は、ヒトのみならず広く動物にも感染する人獣共通感染症の原因となる。考古学的資料に含まれるこれら寄生虫の遺伝子型の解析を行うことにより、寄生虫自体の進化学的背景の解明のみならず、ヒト−寄生虫あるいはヒト–動物の共生史の解明に向けての一助になることが期待される。
主な著書・論文
- Mizuno T, Tokoroa M, Yagi T, Wada E, Yamadori I, Arai M 2024. Infant gastrointestinal canthariasis caused by cigarette beetle (Lasioderma serricorne). Parasitol Int 102921.
 - Tokoro M, Mizuno T, Bi X, Lacante SA, Jiang C, Makunja RN 2023. Molecular screening of Entamoeba spp. (E. histolytica, E. dispar, E. coli, and E. hartmanni) and Giardia intestinalis using PCR and sequencing. MethodsX 11:102361.
 - Mizuno T, Matey EJ, Bi X, Songok EM, Ichimura H, Tokoro M. Extremely diversified haplotypes observed among assemblage B population of Giardia intestinalis in Kenya 2020. Parasitol Int 75:102038.
 
