古代文明・文化資源学研究センターが実施する文理融合型古代文明研究の実例
古代文明研究とパレオゲノミクスの融合
ホンジュラスのコパンのマヤ遺跡やエジプトのサッカラ遺跡で出土した古人骨やミイラの全ゲノム解析を推進し、王朝の起源や古代の社会構造に迫ります。
古代文明研究と同位体化学の融合
文明形成時の中国における殉死人骨や供犠人骨、エジプトのサッカラ遺跡出土のミイラや人骨資料、ホンジュラスのコパンのマヤ遺跡出土の人骨資料などの同位体分析から、古代人の健康状態、食性、移動の態様を復元し、文明の発展や衰退プロセスへの影響を探ります。
古代文明研究と機械工学・コンピュータビジョンの融合
ツタンカーメン王のチャリオット(二輪馬車)の力学解析により、その設計思想を解明します。ホイールの振動特性評価を行い、車体構造のCADモデルの制作と力学解析を実施します。チャリオットの天蓋のドキュメンテーションと接合の仮想復元、博物館におけるVR展示(仮想展示)に関する研究を促進します。
古代文明研究と素粒子物理学の融合
地球上に降り注ぐ宇宙線ミューオンを使ってマヤ文明のピラミッド神殿をX線撮影のように透視し、世界遺産「コパンのマヤ遺跡」の11号神殿で碑文に刻まれている歴代王の「王墓」を世界に先駆けて発見し発掘調査することを目指します。
古代文明研究と材料科学の融合
世界各地の古代文明遺跡で出土した各種威信材やその原材料の元素組成を蛍光X線分析などで明らかにし、産地および流通ルートを解明します。
新研究センターが実施するSDGsの達成に貢献できる研究の実例
世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する(11.4) | ||
文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通じて、すべての学習者が持続可能な開発を促進するために必要な知識・技能を習得できるようにする(4.7) | ||
地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策立案・実施(8.9) | ||
地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対する持続可能な開発がもたらす影響の測定手法の開発・導入(12.6) |
世界遺産の保護と活用法の研究
ユネスコ世界遺産のうち、複合遺産登録世界第一号であるグアテマラ・ティカル国立公園の周辺において、国の観光開発政策のサイクルから取り残された6つのコミュニティの住民に対して、ティカルの文化資源・自然資源を活用して生活向上につなげる知識と技能の習得を支援し、リーダー人材の育成と組織化を図ります。そして、文化遺産の保存と活用に関するティカル・モデルの構築を目指します。
コミュニティ博物館や展示法の開発研究
ホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」が存在するコパンルイナスにおいて、コミュニティ主導の博物館の設立支援や人材育成、日本からの国際協力と連携した展示コンテンツ・展示方法の開発を目指します。
大エジプト博物館への文化遺産保存修復協力
現在建設中のエジプト文明の至宝を集めた大エジプト博物館における文化遺産保存修復への協力と展示方法の開発研究および人材育成への協力を行います。