河合望(かわいのぞむ)
所属:新学術創成研究機構(古代文明・文化資源学研究センター兼任)
職階:教授
専門:エジプト学、考古学
※金沢大学:研究者情報
研究内容
古代エジプト新王国時代の歴史、文化について考古学と文献史学の双方から研究しています。具体的には新王国時代第18王朝の所謂「アマルナ革命」の後のツタンカーメン王の時代を含むポスト・アマルナ時代の歴史と文化です。これまでテーベやサッカラなどの遺跡で新王国時代の墓の発掘調査に参加してきました。最近では、JICA(国際協力機構)の大エジプト博物館保存修復プロジェクトの一環としてツタンカーメン王のチャリオット(二輪馬車)の研究を行っています。また、これまで精力的に調査が実施されてきたテーベ遺跡の新王国時代の墓地に比べて調査が不十分であったサッカラ遺跡における新王国時代の墓地の調査を試み、2016年から調査を実施していますが、2019年にサッカラ遺跡で初のローマ支配時代のカタコンベ(地下集団埋葬墓)を発見しました。これを受け、ローマ支配時代における埋葬習慣や来世観についても新たな研究テーマとして取り組んでおります。今後は当初目的としていた新王国時代を中心とするサッカラ遺跡の王朝時代の墓地の調査も計画しております。
主な著書・論文
- 河合 望『古代エジプト全史』雄山閣, 2021年
- 前田耕作, 河合 望, 馬場匡浩, 長谷川修一, 西山伸一, 安倍雅史, 上杉彰紀, 西藤清秀, 山内和也, 清岡央『オリエント古代の探究:日本人研究者が行く最前線』中央公論新社, 2021年
- 河合望・谷川竜一編『成熟社会の文化遺産とは何か−多様性と持続可能性を作り出すために− 金沢大学文化資源学研究第26号, 2021年
- Jiro Kondo and Nozomu Kawai, “Japan” in Andrew Bednarski, Aidan Dodson, and Salima Ikram (eds.), A History of World Egyptology. Cambridge: Cambridge University Press, (2021), pp. 439-447.
- Nozomu Kawai, Exploring the New Kingdom Tombs at North Saqqara: A Brief Report on the Archaeological Survey from 2016 to 2017,” Saqqara Newsletter, vol. 18 (2020), 1-15
- Nozomu Kawai, Yasushi Okada, Takeshi Oishi, Masataka Kagesawa, Akiko Nishisaka, Hussein Kamal, “The Ceremonial Canopied Chariot of Tutankhamun (JE61990 and JE60705): A Tentative Virtual Reconstruction,” CIPEG Journal: Ancient Egyptian & Sudanese Collections and Museums, vol. 4 (2020), pp.1-11.