文化庁 文化遺産国際協力拠点交流事業 「グアテマラ世界複合遺産「ティカル国立公園」における文化遺産の三次元計測と取得データの活用法に関する現地人材養成事業」第二期研修(7・8月)

7月27日、7月28日、8月4日、8月5日の日程にて古代文明・文化資源学研究センター主催による特別セミナーを実施いたします。各日程の詳細については以下をご確認ください。

主  催: 金沢大学人間社会研究域附属古代文明・文化資源学研究センター
講義方法: Zoom Webinar
  



日程


1日目:特別講義のイントロダクション:ホンジュラス、コパンのマヤ遺跡での考古学研究と遺跡保護における3D技術の活用

日  時: 7月27日(火), 10時00分~11時30分(日本時間)
講  師: 中村誠一 先生(金沢大学 古代文明・文化資源学研究センター、センター長)
言  語: スペイン語
要  旨:  本講義は、4回企画されている特別講義のうち、最初の講義に位置付けられる。そのため、この一連の講義を実施する目的を説明する。その後、ホンジュラスのコパンのマヤ遺跡のバーチャルリアリティーを提示しつつ、3D技術の適用が必要な理由、適用の現状、コパンの考古学研究と遺跡保護の展望について概説する。
  



2日目:考古学における3次元モデル①:南アジアの例

日  時: 7月28日(水), 10時00分~11時30分(日本時間)
講  師: 上杉彰紀 先生 (金沢大学 古代文明・文化資源学研究センター)
言  語: 英語(スペイン語通訳あり)
要  旨:  この講義では、南アジアのいくつかの例を用いつつ、考古学研究における3次元モデルの重要性について概説する。三次元モデリング技術により、都市や墓地などの大規模なサイトをカバーすることが可能になっている。この技術は、考古学的遺跡だけでなく、遺跡が位置する地形を対象とした高解像度の3次元モデルを作成することも可能である。また、生成されたモデルは、詳細な記録作成、3次元の視覚化、考古学的遺跡や地形の空間分析など、さまざまな目的に使用することが可能である。
 講師は、南インドの遺跡、特に大規模な墓地が特徴の鉄器時代の巨石文化の遺跡を研究対象対象としており、その記録作業の際、3次元モデリング技術を適用した経験がある。この講義では、南インドにおけるこの巨石文化のいくつかの例を用いつつ、考古学的分析で3次元モデルを作成および使用する方法に焦点を当てる。
  



3日目:考古学における3次元モデル②:中東の例

日  時: 8月4日(水), 10時00分~11時30分(日本時間)
講  師: 上杉彰紀 先生 (金沢大学 古代文明・文化資源学研究センター)
言  語: 英語(スペイン語通訳あり)
要  旨:  この講義では、南アジアのいくつかの例を用いつつ、考古学研究における3次元モデルの重要性について概説する。三次元モデリング技術により、都市や墓地などの大規模なサイトをカバーすることが可能になっている。この技術は、考古学的遺跡だけでなく、遺跡が位置する地形を対象とした高解像度の3次元モデルを作成することも可能である。また、生成されたモデルは、詳細な記録作成、3次元の視覚化、考古学的遺跡や地形の空間分析など、さまざまな目的に使用することが可能である。
 この2回目の講義では、中東の例を扱う。講師は、バーレーンとサウジアラビアの遺跡で3Dモデリング技術を使用した経験がある。これらの国々には、複雑な地形によって強調され、非常に広い領域にまたがる一連の遺跡がある。三次元モデリング技術は、これらの遺跡の特徴を記録化し、視覚化するための優れたツールである。
  



4日目:考古学研究のための3D技術でのマッピングと記録:メキシコ、プエブラのトラランカレカ考古学プロジェクトでのドローン、フォトスキャン、スキャナーの活用

日  時: 8月5日(木), 10時00分~11時30分(日本時間)
講  師: 嘉幡茂 先生(京都外国語大学)
言  語: スペイン語
要  旨:  3Dデジタル化に関連する新しい技術が導入され、考古学研究にうまく適用されていることが認知されてきている。これらの用途の広いテクノロジーは、とりわけ、地形測量に加え、建築や遺物の記録化を容易にする。 一方で、考古学者にとって最も重要なことは、それらの技術を適用することではなく、それらを通して得られたデータをどのように使用するかである。プエブラのトラランカレカ考古学プロジェクトでは、現場とラボの両方で考古学的な記録作業をスピードアップするために、写真測量にドローンが使用され、AgisoftPhotoScanとポータブルスキャナーが使用された。
 この講義の導入部分では、このプロジェクトの目的について概説する。次に、デジタル化のどの手法を用いているかを概説し、最後に、過去の社会のいくつかの側面を解釈するためにデジタルデータをどのように使用しているかの実例を提示する。