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設立趣旨

 金沢大学国際文化資源学研究センターは平成23年2月に金沢大学人間社会研究附属の施設として発足しました。金沢大学はその第2期中期目標に「世界に通用する高度な学術研究を推進し、卓越した研究成果と将来性のある研究を産み出す先進的研究拠点を目指すとともに、特色ある研究拠点を形成する」ことを掲げ、それを達成するための第2期中期計画として「各研究域に、先進的研究拠点の中核としての研究センターを時限付きで設置する」ことを定めました。本センターはこの中期計画を具現化するものとして設置されました。

 本センターの目的とするところは、経済開発やグローバリゼーションの進展で世界各地において変化を余儀なくされている有形・無形の文化遺産を、新たな価値を創造するための「文化資源」ととらえなおし、その総合的・多角的な研究と保護・活用法の開発を行うことにあります。基本的に海外の研究機関と共同で事業を実施することで、本学の国際連携・貢献を強化するという大きな役割も担っています。

 私たちのグループはすでに本センターの設置以前に、「フィレンツェの壁画修復と復元プロジェクト」(寄付金)、「日中無形文化遺産プロジェクト」(特別経費)、「アジア文化資源学リンケージ金沢セミナー」(日本学術振興会「若手研究者交流支援事業」)、「文化資源学フィールド・マネジャー養成プログラム」(日本学術振興会「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」)、「文化資源学国際コンソーシアムの構築」(日本学術振興会「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」といった諸事業を展開してきました。これらを通じて培ってきた経験、ノウハウ、そして国際的ネットワークを最大限に活用し、今後は世界大的な展開を目指します。

 本センターの活動は、学生の教育やポスドク等の若手研究者の養成とまったく別個に行われるべきではないし、また、行いうることでもない、と私たちは考えています。平成24年度には大学院人間社会環境研究科博士前期課程に「文化資源学コース」が開設されます。研究の成果が人材育成に反映されることで後進が次々と輩出され、それがまた研究活性化の呼び水となる。そうした正のスパイラルができ上がってこそ、本センターも順調に発展していくことができるはずです。

 近い将来、文化資源の研究を志す学生や若手研究者が世界各地からこの金沢大学に集うようになることを夢見ています。

センター長 森 雅秀

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