研究生レポート:JICA「草の根技術協力事業」の2019年度本邦研修(3日目)
Miguel Ángel Echeverría Tager
(ミゲル・アンヘル・エチェベリア・タヘル)
(2019/10/09)
本日の研修では、グアテマラとホンジュラスから来た7人の研修生に、ティカル国立公園の観光回廊の開発に関して、それぞれのコミュニティ組織の現状と課題を発表する機会があった。それぞれの発表後に質疑応答が続き、参加者全員が互いの状況について自身の立場から見解を述べる議論の時間が設けられた。
イングリ・フランシスカ・モラレス・ヒメネス氏は、彼女が代表するイシュルのコミュニティの現状について最初に発表した。現地の行政機関によってほとんど無視され、滅多に観光客に宣伝されることのない彼女のコミュニティの考古学遺産や自然遺産、文化遺産、美食の遺産について説明した。彼女の発表と質疑応答に続き、イシュルのコミュニティ特有のものとして商品化できる物、観光名所の宣伝を試みる観光戦略の確立に向け、議論が行われた。
ホセ・フランシスコ・カノ・オサエタ氏が2番目に発表を行った。 観光政策を実施するグアテマラ観光庁(INGUAT)を代表し、自身の専門分野である観光の安全性に関連する問題と課題を提示した。 安全な観光に基づいた地域経済の発展という課題に共に取り組むため、発表では、関係する様々な組織間の共働の必要性に焦点を当てた。
午後は、カルロス・アビガイル・ゴンサレス・ゴンサレス氏がグアテマラ職業訓練校(INTECAP)を代表し、この機関の歴史と農村部での技術教育を提供する問題について説明した。 発表の中で、住民の教育に対する意欲の欠如と、訓練を受けた人材やその訓練の際に必要な機材の不足という課題を挙げた。
クリステル・ミチェル・ピネダ・オレジャーナ氏 は、ティカル国立公園での仕事と自然保護について発表を行った。 彼女は、水源や大気汚染、さまざまな保護種の個体数を監視するために公園が行っている活動について説明した。 発表では出席者に、自然の形態の維持を伴った持続可能な観光開発について啓蒙しようと試みた。
本日の活動の最後には、ホンジュラスの唯一の代表であるクリスティアン・ナポレオン・アギラール・ニエト氏により、IHAH(ホンジュラス歴史人類学研究所)や海外の機関が実施した保全と社会開発のプロジェクトによって保護された自然、文化、考古学の遺産についてのプレゼンテーションがなされた。ユネスコの世界遺産に登録されているコパンのマヤ遺跡やその周辺のプロジェクトにて、IHAHは、JICAおよび金沢大学と協力関係を築いてきた。